【後編】ストームライダーの裏設定と、2つのエリアを繋ぐバックグラウンドストーリー

前編ではストームライダーそのもののバックグラウンドストーリーをおさらいしました。

後編となる今回は、閉園後も残るCWC(気象コントロールセンター)の痕跡や、ポートディスカバリーというエリアの設計思想を掘り下げたうえで、いよいよ本題である「ポートディスカバリーとケープコッド、2つのエリアを繋ぐ物語」に迫っていきます。

「そんなところまで繋がっていたのか」という驚きを味わってもらえるはずです。

前編はこちら!
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施設内に残るCWCの痕跡

ストームライダーがクローズした今も、ポートディスカバリーのあちこちには当時の名残が残されています。

エリア全体を見渡すと、「今の案内」と「昔の名残」が重なって存在していることに気づくはずです。

展示物・掲示物に描かれた設定

エリア内には、気象コントロールセンター(CWC:Center for Weather Control)のロゴやサインが、今もあちこちに残っています。これは意図的に残されているもので、「以前の物語の名残」として読み解くことができます。

今の案内表示は、後述する海洋生物研究所(MLI)のものに切り替わっていますが、注意深く見渡すと、かつてここが気象研究の拠点だった痕跡を発見できるはずです。

ニモ&フレンズ・シーライダーへの引き継ぎ

ストームライダーの跡地には、2017年に「ニモ&フレンズ・シーライダー」がオープンしました。興味深いのは、この2つのアトラクションは物語上、直接の繋がりを持たないとされている点です。

シーライダーは、映画『ファインディング・ニモ』の海洋生物研究所がポートディスカバリーに設けた出張研究施設という設定で、ストームライダー時代とは別の研究機関という位置づけになっています。

「研究成果をゲストが体験する」という構造は引き継がれつつも、主役となる研究テーマは気象からがらりと変わった、というわけですね。

ポートディスカバリーというエリアの設計思想

CWCの痕跡やMLIへの移り変わりは、決して偶然の産物ではありません。ポートディスカバリーというエリアそのものの設計思想に理由があります。

「未来都市の港」というテーマポートの構造

ポートディスカバリーは「20世紀初頭のニューヨークの人々が考えた、未来都市のマリーナ」をテーマにしたエリアです。かつての人々が思い描いたレトロフューチャーな未来像を具現化しているのが特徴で、研究対象が気象から海洋生物へと移り変わっても、「研究の成果を安全に体験できる港」という基本コンセプトは変わっていません。

ストームライダーの物語は、このエリア全体のコンセプトの中で描かれていたひとつのエピソードだった、と捉えると腑に落ちます。

他アトラクションと共通する演出手法

ゲストを「見物人」ではなく「体験者・関係者」として物語に組み込む手法は、ストームライダーに限らず、東京ディズニーシーの各テーマポートに共通する演出です。

それぞれのエリアが独自の時代と物語を持ち、ゲストはその世界に入り込んだ当事者として過ごす——ストームライダーの「祝賀フェスティバルへの参加者」という設定も、まさにこの手法の一例だったと言えそうです。

ポートディスカバリーとケープコッドを繋ぐ物語

ここからが本題です。ポートディスカバリーは、実はエリア単体で完結した物語ではありません。隣接するアメリカンウォーターフロントの「ケープコッド」と、時空を超えて結びついています。

電気鉄道が結ぶ、2つの時代

ケープコッドの舞台は20世紀初頭。この時代のケープコッドは嵐による被害が多く、人々は災害のない平和な未来を理想としていました。一方のポートディスカバリーは、「時を超えた未来の港」として描かれています。この2つのエリアは、園内を走る電気鉄道によって物理的にも結ばれており、ゲストは電車に乗るだけで、20世紀初頭のニューヨークから未来のマリーナへと、100年という時空を超えた移動を体験できるようになっています。

「災害のない平和な未来」というテーマの繋がり

ケープコッドの人々が思い描いていた「災害のない平和な未来」——それこそが、ポートディスカバリーが体現している未来そのものなのです。

つまりストームライダーのミッションは、単に「嵐を消し去るアクション」ではなく、ケープコッドの人々が夢見た理想が、時を超えて実現した姿として描かれていたことになります。

2つのエリアが電気鉄道で結ばれているのは演出上の都合だけでなく、「過去の願いが、未来で叶えられている」という物語構造そのものを表現していたのだと考えると、ぐっと味わい深く感じられます。

まとめ

前編・後編を通して振り返ってみると、ストームライダーは単体の「嵐に挑むアトラクション」ではなく、CWCという研究施設の物語、ポートディスカバリーというエリア全体の設計思想、そしてケープコッドとの時空を超えた繋がりという、何層にも重なった物語の上に成り立っていたことが分かります。

閉園から時間が経った今でも、園内に残るCWCの痕跡を見つけるたびに、当時のミッションと、ケープコッドの人々が夢見た未来に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人 Wrote this article

Tsuppy0129

Tsuppy0129 男性

はじめまして、Tsuppuy(ツッピー)です!茨城在住のアラサー、普段は技術派遣エンジニアとして働いています。大好きなディズニーを中心に、映画やアニメ、ゲームの「知ってるともっと楽しくなる」解説やバックグラウンドストーリーを発信中。好きなことを好きなだけ語りたくてブログを始めました。同じ沼にいる人も、これから沼る人も、一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです!

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