【タワー・オブ・テラー考察・前編】ホテルハイタワーに隠された物語を辿る

東京ディズニーシーのタワー・オブ・テラーは、ただの絶叫アトラクションではありません。ホテルハイタワーという架空のホテルを舞台に、コレクター、船、そして探検家たちの物語が幾重にも折り重なっています。

「怖いけど、なんだかもっと知りたくなる」——そんな気持ちになったことはありませんか? 今回はそのバックグラウンドストーリーを、前編・後編の2回に分けてじっくり辿ってみたいと思います。

前編では、物語の起点となるハリソン・ハイタワー3世と、彼にまつわるSSコロンビア号の物語を掘り下げます。読み終える頃には、次に乗るときの目線がきっと変わっているはずです。

ホテルハイタワーとハリソン・ハイタワー3世という人物

タワー・オブ・テラーの舞台となるホテルハイタワーは、大富豪ハリソン・ハイタワー3世が所有していたホテルという設定です。彼は世界中を旅しては珍しい美術品や工芸品を買い集める、いわば筋金入りのコレクター。その収集癖こそが、この物語すべての始まりになります。

「ただの怖いホテル」ではなく、「一人の男の強欲さが招いた悲劇」という骨格を知っておくと、アトラクション内の展示ひとつひとつの見え方が変わってきます。

コレクターとしての顔と「シリキ・ウトゥンドゥ」の呪い


ハイタワーが世界各地から集めた美術品の中に、ある一体の偶像がありました。それが「シリキ・ウトゥンドゥ」。コンゴ川流域のムトゥンドゥ族という架空の部族に伝わる神像で、正当な理由なく持ち去った者には呪いが降りかかるとされる、いわくつきの品です。

多くの品を「戦利品」として扱ってきたハイタワーですが、この偶像だけは他と違う存在感を放っていた——アトラクション内のロビーに飾られた品々を見返すと、そんな不穏さがじわじわ伝わってきます。ここが、後のすべての出来事の引き金になるわけです。

消えた夜に何が起きたのか(アトラクションのあらすじ整理)


物語の舞台は1899年の大晦日の夜。ハイタワーはその夜、記者会見の後にシリキ・ウトゥンドゥを持ってエレベーターに乗り込みます。しかし、その直後にエレベーターは制御を失い、ハイタワーは謎の失踪を遂げた——というのが、アトラクション本編で描かれる出来事です。

以来ホテルは封鎖され、長い年月を経て「奇妙な現象が起きるホテル」として、私たちゲストがその謎に足を踏み入れることになります。ここまでが本編のあらすじですが、実はこの「消失事件」の背景には、もっと奥行きのある物語が隠れています。それが次のSSコロンビア号のエピソードです。

SSコロンビア号と、船にまつわる人々の物語

ホテルハイタワーの物語を辿っていくと、必ず行き当たるのが「SSコロンビア号」という船の存在です。この船と、そこに関わった人々のエピソードを知ることで、ハイタワーがなぜあの偶像を手にすることになったのか、その経緯がぐっと立体的に見えてきます。ここからは、船を巡る登場人物たちを一人ずつ見ていきましょう。

コーネリアス・エンディコット3世という船主


SSコロンビア号の船主とされるのが、コーネリアス・エンディコット3世という人物です。彼もまたハイタワーと同じく、世界中から珍しい品々を運び入れる立場にありました。物流と収集、この二つの糸が交差する場所にSSコロンビア号があったと考えると、ハイタワーの手にシリキ・ウトゥンドゥが渡った経緯にも、輸送や取引というリアルな「流通の物語」が透けて見えてきます。

娘ベアトリス・ローズ・エンディコットの足跡


エンディコット家の娘として語られるのが、ベアトリス・ローズ・エンディコット。船を巡る物語において、彼女の存在は単なる家族の一員というだけでなく、収集品や船の記録に関わる人物として描かれています。派手な事件の主役ではないぶん見落とされがちですが、パーク内の細かな展示や資料に彼女の名前を見つけたときの「あ、繋がった」という感覚は、この考察の醍醐味のひとつです。

マンフレッド・ストラングという人物の存在


SSコロンビア号やホテルハイタワーの物語の周辺で語られる人物として、マンフレッド・ストラングの名前も登場します。船の運航や管理に関わる立場として描かれることが多く、彼のような「裏方」の存在があってこそ、ハイタワーやエンディコット家の華やかな物語が成立していたことがわかります。パーク内に残された荷札や書類風の小道具にも、こうした人物の名前がさりげなく仕込まれていることがあるので、次に訪れたときはぜひ探してみてください。

ニューヨーク市保存協会が果たした役割


物語のもう一つの鍵となるのが、文化財や歴史的建造物の保存を目的とした団体、ニューヨーク市保存協会です。ハイタワーのように個人が買い漁った美術品の中には、本来は然るべき場所に保存されるべきものも含まれていました。そうした「あるべき場所に戻されるべき品」と「個人の欲によって奪われた品」との対比が、この協会の存在によって浮かび上がってきます。単なる脇役ではなく、物語に倫理的な奥行きを与える存在と言えるでしょう。

ハイタワーとSSコロンビア号を結ぶ収集品・伏線


ここまで見てきた人物たちの関係は、パーク内のあちこちに置かれた小道具や展示品からも読み取ることができます。荷造り用のクレートに書かれた文字、ロビーに並ぶ骨董品のラベル、壁に掛けられた地図や航路図——一つ一つは地味に見えても、そこにはハイタワーとSSコロンビア号、そしてエンディコット家を結ぶ細い糸が張り巡らされています。列に並んでいる間、こうした小道具に目を凝らしてみると、今まで気づかなかった発見があるかもしれません。

次回予告:実はこの物語、あのアトラクションともつながっていた

ここまで、ホテルハイタワーとハリソン・ハイタワー3世、そしてSSコロンビア号にまつわる人々の物語を辿ってきました。実はこの物語、東京ディズニーシー内の別のアトラクション——レイジングスピリッツとも、深いところで繋がっています。さらにその先には、S.E.A.(Society of Explorers and Adventures)という、パーク全体、いや世界中のディズニーパークを横断する壮大な世界観が待っています。後編では、その繋がりを一つずつ解き明かしていきます。お楽しみに。

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Tsuppy0129

Tsuppy0129 男性

はじめまして、Tsuppuy(ツッピー)です!茨城在住のアラサー、普段は技術派遣エンジニアとして働いています。大好きなディズニーを中心に、映画やアニメ、ゲームの「知ってるともっと楽しくなる」解説やバックグラウンドストーリーを発信中。好きなことを好きなだけ語りたくてブログを始めました。同じ沼にいる人も、これから沼る人も、一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです!

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